確定申告のやり方及び大阪の相談会場

今回は、初めて確定申告をされる方向けに、確定申告のやり方と困った時の大阪の地域の相談場所について、税理士の実務上の経験も踏まえて詳しく解説したいと思います。
起業、開業したばかりの方や親から家業を引き継いだ方などは、確定申告が必要になりますが、そのやり方が全くわからないと思います。そういった方向けに確定申告の流れや必要書類、そして大阪エリアの相談場所など詳しく記載しました。
申告に流れや必要書類について、全くわからないという方や、途中まで計算してみたがもうお手上げという方に、是非ご一読して頂きたい内容となっております。

確定申告の一連の手順

まず初めに、確定申告の一連の流れを確認してみましょう。
ここで全体像を把握すれば、自分が何をすべきか何を相談すべきかがわかるはずです。

確定申告の手順

① 領収書など確定申告に必要な資料を集める

② 集めた資料を各科目ごとに集計する

③ 確定申告書を用意する

④ 集計された各科目ごとに収支内訳書などの確定申告書の用紙に記載する

⑤ 扶養などの各控除を確定申告書の用紙に記載する

⑥ 税金を計算し確定申告書を完成させ、管轄の税務署に提出する

⑦ 計算された税額を納付書に記載し、納付する

細かく分けると、このような手順となります。
それでは、それぞれの具体的な方法を確認していきます。

確定申告の資料は何を集めれば良いか

まず、確定申告とは、その年の1月1日~12月31日までの1年間の所得を計算し税金を国に申告し納付するために行うことです。
よって、確定申告に必要な書類とは、1年間の取引の全てがわかる書類が必要ということになります。
具体的には、売上を把握するためには請求書、入金を確認するために預金のコピー
仕入れの金額を把握するために納品書や相手方からの請求書、振込を確認するための預金のコピー
その他の経費として、取引先と会食した交際費、業務にかかったガソリン代、電車代などの交通費、事務所の家賃として地代家賃、電話代などの通信費…などなどの請求書や領収書が必要になります。
また、よく領収書がなければ経費にならないと考えていらっしゃる方もいますが、そんなことはありません。
例えば、電車代や自動販売機で購入した缶コーヒーなどレシートや領収書が出ない経費があります。これらはノートやエクセルなどの帳簿に、いつ、誰が、何のためになど記録することで経費にすることができます。
領収書がないものは、帳簿をつけなければ経費とならないため、帳簿を作成しなければ税金が上がってしまい不利になります。
よって、必要書類をまとめると請求書、領収書、通帳のコピー、現金出納帳などの帳簿が最低限必要な書類といえます。

どのように集計すればよいか

1年間の資料が揃えばそれを集計しなければいけません。
集計する時は、それぞれのグループにわけて集計しなければなりません。
このグループを科目といいます。
例えば、電話代、インターネット代金、切手代、郵便代などは通信費
取引先との接待代、ゴルフ代、お歳暮、お中元などは交際費
ガソリン代、電車代などは交通費
このように、それぞれの科目ごとに1年分を集計します。
なお、どの科目にすればわからないと深く悩む必要はありません。どの科目でも経費を累計する同じ額になるため、近いと思われる科目を使用すればよいでしょう。どれにもあてはまらない、その他の経費の時は雑費という科目もあります。
このようにして、1年間の取引を集計します。

確定申告書の用紙はどのようにして手に入れるか

確定申告書はどこにあるのというと、確定申告書の用紙は税務署に置いています。
お近くの税務署で手にいれましょう。
書き損じのために複数枚貰っておいた方が無難です。
個人事業主の方は、確定申告書Bという用紙を一式頂きましょう。
なお、確定申告書の用紙はインターネットからでもダウンロードすることができます。「国税庁のホームページ」からダウンロードして使用することもできます。

扶養などの各控除を確定申告書に記載する

扶養の有無や社会保険の支払金額により税額は変わってきます。
これらの控除金額は「確定申告のための所得控除一覧」に全てを詳しく解説いますので、こちらを参考にして下さい。

確定申告書の完成、管轄の税務署に提出する

さて、ここまでを計算し、税率を掛ければ、確定申告書は完成です。
完成すれば管轄の税務署に提出します。
例えば、事務所が大阪市西区であれば西税務署、東大阪市であれば東大阪税務署など管轄が決まっていますので、必ず管轄の税務署に提出しましょう。
大阪の管轄の税務署は「大阪で起業、開業される個人事業主の確定申告の基礎知識」に全て記載していますので参考にしてみて下さい。
提出は持参、郵送、インターネットからの電子申告の3パターンです。
郵送の場合は、返信用封筒を封入し、必ず控を返却してもらうようにして下さい。
控は次の年の確定申告の時に参考になるので、必ず保管しておきましょう。

納付書に税額を記載し、納付する

納付書に税額を記載し納付します。
納付書は税務署に置いてあります。納付は金融機関で支払うか税務署で直接支払うかのどちらかです。
申告書を持参提出の方は、申告書の提出と同時に納付書も持参し納付すれば、納付漏れの心配もないです。
なお、振替納税依頼書を提出することで、税金を口座振替にすることができます。来年以降も納付書での納付の必要がなく、納付漏れも防げます。

大阪の確定申告の相談会場

大阪の確定申告の相談会場についてご説明します。…っと言っても、確定申告の相談会場とは何なのかわからない方も多いと思います。
確定申告の相談会場とは、申告に行き詰った場合、税務署で無料で確定申告のやり方や書き方を指導するための場所です。通常、毎年2月16日から3月15日の間相談を受け付けています。
窓口は基本的には税務署となりますので、所轄の税務署に申告書一式を持って相談に行って下さい。
ただし、大阪で確定申告に行き詰った場合には一部、税務署庁舎外で相談をしている場合があります。大阪市など人口が多い地域は例年、別会場を設けています。
平成29年分の大阪の確定申告の会場はまだ発表されていませんが、平成28年分の大阪の確定申告の相談会場が別会場だった所轄税務署は下記の通りです。

● 大阪福島税務署、西税務署、西淀川税務署、東淀税務署、北税務署、大淀税務署…梅田スカイビル ファンファンプラザ5階
● 港税務署…港産業会館2階大ホール
● 天王寺税務署、浪速税務署、東成税務署、阿倍野税務署、東税務署、南税務署…谷町四丁目会場 大阪合同庁舎第2号館別館
● 吹田税務署…吹田さんくすホール
● 泉大津税務署…テクスピア大阪4階
● 富田林税務署…すばるホール4階 銀河の間
● 門真税務署…守口門真商工会館

相談会場は毎年ほとんど同じ場所ですが、まれに変わることがありますので、国税庁のホームページなどで平成29年分の相談会場は確認して下さい。
その他の大阪の地域は、管轄の税務署で相談を行っていますので、管轄の税務署に相談に行きましょう。
なお、相談時間は9:00~17:00ではなく16:00までとなっている会場が多いので、管轄の税務署のホームページなどで確認した方が良いです。

確定申告の相談員は税理士

意外と知らない方も多いと思いますが、税理士会からの命令で確定申告時期に税理士が税務署に派遣されます。
ですので、相談会場で主に相談に受けるのは税理士です。相談員はアルバイトなどではなくプロですので、安心して相談して大丈夫です。

まとめ

今回は確定申告のやり方と大阪の相談会場について解説しました。
今回記載させて頂いた手順で、自分で一度確定申告書を作成してみましょう。
どうしても行き詰った時は、相談会場で相談するといいです。
ただし、大阪の相談会場は例年混雑が予想されます。イチから一人に全ての時間を割くことはできません。集計など最低限自分で出来ることはした上で相談に行くようにしましょう。
なお、当事務所でご相談ご希望の方はお電話又はメールでご予約下さいませ。
電話での回答は致しかねますのでご了承下さい。