今回は企業が行う年末調整の準備や従業員から集める資料について税理士が解説します。
企業の経理の方や個人事業主、零細・中小企業の社長は必見です。
ここでは、年末調整の詳しい計算方法などはソフトが発展しているため自動計算が可能と思いますので割愛し、従業員様への説明や集めるものに焦点を絞って解説します。
最低限、これらを理解していると資料を集められなく年末調整が出来ないという最悪の事態は防ぐことが出来ると思います。
そもそも年末調整とは?
年末調整とは、給与支払の際に所得税などを源泉徴収されている役員・従業員が、その年に納めた税金の過不足を精算するための手続きです。
給与から毎月、所得税が差引かれていますが、その年の年末にならないとその従業員の正確な所得税額はわかりません。これは途中で生命保険に加入したり解約したり、結婚したり、離婚したり、転職したり、離職したり、過年度の未納の年金を納めたり・・・
と1年の内に様々なことがあるためです。
よって、毎月の所得税は国が定めた概算の金額で控除します。これを年末に再計算し、過不足を従業員へ返金又は徴収します。
多くの場合、12月給与や翌1月給与と一緒に過不足分を支払います。
会社が従業員から集める資料
年末調整に必要な申告書
年末時点で在籍している従業員に下記の3つの申告書を記載もらいましょう
〇基礎控除申告書
〇配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
〇保険料控除申告書
配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書と保険料控除申告書は該当する従業員のみでも構いませんが、基礎控除申告書は全員に提出してもらう必要があります。
基本的には従業員の申告のもと、計算する必要があります。
上記3つの申告書の提出の他、下記の添付資料が必要です。
必要な添付書類
従業員に提出してもらう書類は上記の基礎控除申告書、配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書、保険料控除申告書の3点以外に控除の添付書類が必要です。
控除については多岐にわたるので詳細に全ての説明は割愛しますが、下記は網羅しておけば、通常の年末調整では不足はほとんどないと思われます。
全てを確認したい方は国税庁ホームページ「年末調整のしかた」を参照ください。
ここでは、企業の経理の方や個人事業主、零細・中小企業の社長が困らない程度の通常の年末調整の場合の必要資料を記載します。
今年から働き始めた方
前職の源泉徴収票
住宅ローン控除の適用を受ける方
住宅借入金等特別控除申告書
年末借入金残高証明書
生命保険料・地震保険料控除の適用を受ける方
生命保険料控除証明書
地震保険料控除証明書
個人で国民年金、国民年金基金を支払い、控除を受ける方
社会保険料控除証明書
個人で小規模企業共済等掛金、個人型確定拠出年金を支払い、控除を受ける方
小規模企業共済等掛金払込証明書
まとめ
今回は企業が行う年末調整の準備や従業員から集める資料について税理士が解説しました。
今回の資料を集めさえすれば、後はご自身で調べるなり、お使いの年末調整ソフトに打ち込むなりで年末調整を行うことが出来ると思います。
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