私はこれまで税理士という職業柄、様々な会社の税務顧問をさせて頂く中で、色んなタイプの社長にお会いしてきました。
税理士という職業は一番中小・零細企業の決算書などの数字を分析し、社長にお会いして、深く話を聞いている職業かも知れません。
その経験の中で儲かっている会社、残念ながらそうではない会社、それぞれ共通点があることがわかりました。
中小・零細企業の発展・衰退の要因はほとんどの場合経営者です。そこで、今回は儲かっている会社の経営者の共通点を紹介したいと思います。
経営者が本業に専念している
選択と集中などと経営学の世界では言われますが、実際実務の中でこれは本当にその通りだと思います。1つのことを突き詰める人ははやりビジネスの世界では強いです。
逆に器用貧乏な方は儲かりません。あの事業が今儲かるらしい、あの事業を流行る前に手をつけようなどと考える経営者は一見先見の明があるように思いますが、最初上手くいったとしても、最終的にはやはり儲かりません。これは他の事業に手を出すと、代わりに上手くいっていた本業に時間が割けず、どれも中途半端になってしまうからです。
仮に焼肉屋経営で1店舗目が成功したなら、2店舗、3店舗と増やすべきなのですが、器用貧乏な方はバーを経営したり、ファッション関係を始めたりと全く違う事業を始めてしまいます。
その分、本業が疎かになり、ライバル企業に追いつかれてしまいます。
あのトヨタ自動車でさえ、近年までノウハウがない軽自動車には手を出さなかったのですから、特に中小企業は本業に集中投資しないと生き残っていくのは難しいでしょう。
特に中小・零細企業の場合は1つの事業に集中した方が多くの場合上手くいきます。
経営者に理念や信念がある
これは本業に専念することと本質的には同じことだと思うのですが、経営者に理念や信念がある会社は儲かります。この事業で○○な部分を変えたいという気持ちの経営者がいる会社は伸びます。信念や理念がある経営者は行動がブレません。
理念や信念がある会社は顧客から信頼を得ていることが多く、コアなファンが離れず、結果として儲かることが多いです。
お金を関係者に還元している
伸びている会社の経営者は特に初めのうちは、お金をお客様や従業員に還元したり、設備投資などに使います。自分の報酬だけを極端に上げるということはしません。
「まず相手のため」にという精神が身体に染みついているのでしょう。
お金を還元することにより、より大きな仕事が舞い込んできてプラスの循環が生まれるのです。意外にこれができない社長が多いのも事実です。
決断が早い
正直できる経営者であっても決断が遅い経営者の営む会社はあまり発展しません。
中小・零細企業が唯一大手に圧倒的に勝っていることが意思決定のスピードです。
大手では稟議書を提出し、市場や同業他社をリサーチし、会議をし、課長、部長、取締役の承認を得て初めて動くということはよくあります。
その点、中小・零細企業では鶴の一声で即行動に移せます。これは大手にはない利点であるのに、経営者の決断が遅いとせっかくの利点を生かせず、資本の多い大手企業や他の決断の早い中小・零細企業に先を越されてしまいます。
やはり決断の早い経営者は伸びる会社になるものです。
懸命に働く
一見当たり前のことのようですが、儲からない会社の社長は総じてサボりがちです。
従業員を遅くまで働かせることは感心できませんが、経営者には労働基準法が適用されないため何時間でも働くことが可能です。やはり儲かっている会社は社長が一番頑張っています。その頑張りがお客様や従業員に伝わるのでしょう。
懸命に社長が働いていると周りが応援してくれるので、結果として業績が上がっていきます。
まとめ
いかがだったでしょうか?ドキッとした項目はあったでしょうか。
意外に当たり前だと思われることが多かったのではないでしょうか。
当たり前のことを当たり前にやる これが一番大事なことなのかも知れません。
この記事が少しでも今後の行動の参考になれば幸いです。